浮世絵展

週末、三菱一号館美術館にて行われている浮世絵展 Floating Worldに行ってきた。

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美術館なんて柄でもないんだけど、珍しくこの浮世絵展には来たいと願っていたのだ。

隅田川沿いを歩いたり走ったりするたびに、壁画の浮世絵を楽しませてもらっているので、ちょっと興味を持って。
そしてこの展示会がめちゃくちゃ面白かった。



団扇が描かれたポスターが街を涼しげに演出。

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柔らかい霧のシャワーが、視覚的にもこの暑さを和らげてくれる。

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入り口で500円のオーディオガイドをレンタル。
今回つくづく思ったけど、この音声ガイドってケチっちゃいかんね。

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館内ルート、最初はお約束の葛飾北斎。

その鮮やかな色合いと、奥行きのある空間構成が海外にも多大な影響を与えたという北斎。
米「ライフ誌」が選んだ「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」に選ばれた唯一の日本人だと言う。

有名な富嶽三十六景は、入場してから割とすぐに表れた。

大浪こと「神奈川沖浪裏」を見て、ドビュッシーは「波」を作曲。

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赤富士と呼ばれる凱風快晴。
夏の富士は日に焼けて真っ赤に見える、と、紅く描かれたのだそう。
うむ、このあたりまでは私でも見たことあります。

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季節のせいなのか、滝とか(海とか川とか)水辺好きな個人的好みのせいなのか、今回初めて見た「諸国瀧巡り」に釘付け。
こんなにシンプルなのに瀧の迫力と清涼感が伝わってくるってすごいなあ。

(写真はこちらよりお借りしました)
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今にも轟音が聞こえてきそう。

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しかし、浮世絵を理解するには、時には百人一首の知識まで求められるのですね。
(写真はこちらからお借りしました)
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絵の横に「詩歌写真鏡 清少納言」とだけあったので、私はてっきり清少納言の入浴でも覗いてる奴の絵かと思ったよ。

正解: 「夜明けまで関所が開くのを待ちきれないので、にわとりの鳴きまねをして関守に錯覚を抱かせて関所を通った」という中国の故事に基づいた清少納言の和歌。

なんでもこれは、子供に百人一首の内容を理解させる為に作られたシリーズだったのだそう。

他にはこれ。
(写真はこちらからお借りしました)
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参議篁の和歌「わたの原 八十島(やそしま)かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ 海人(あま)の釣舟」を描いた作品。浮世絵の絵師は不明。

訳:広い海を、たくさんの島々を目指して漕ぎ出して行ったよ、と都にいる人々には告げてくれ、漁師の釣船よ。

かわいそうに・・・・こんなに構って欲しさ全開の歌なのに、誰も漕ぎ出してった左上の舟見てないね・・・・
(注:手前は釣人の舟。)
恐らく誰の耳にも届くまいよ、大海原への大冒険は。
そもそもこのバラバラ死体みたいなの、海女ちゃんだったのか・・・・。



学生時代、百人一首暗記させられたな~。あれは中1の夏休みの宿題だったと思う。
部活の休憩時間に、校庭の隅っこでみんなで早押しクイズなみに競争して・・・・。


(写真はこちらからお借りしました)
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順路の途中、廊下の壁に大きく展示されて迫力満点だったのが1830年作 「新板往来双六」。
日本橋、江ノ島、鎌倉、大山。
当時の人々にとっても身近な観光地だったのかな。



当時は絵付け師番付で、「役者絵・美人絵の歌川豊国、武者絵の歌川国芳、そして風景画の歌川広重」と評された。

(写真はこちらからお借りしました)
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よって、豊国が市川団十郎ら人気歌舞伎役者を、その背景に広重が温泉場の風景を描いたコラボ作品は、当時の人々によって夢の共演だったのだそうだ。

うりざね顔の美男美女の絵柄にも目を奪われるけれど、私は庶民の生の姿がそのまま伝わるような大衆的なものが好きだなとしみじみ思いながら歩く。



「東海道五十三次 御油」。
(写真はこちらからお借りしました)
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赤坂の手前の御油で必死に客の裾を引く宿の女性達。一人一人の表情がなんとも愛嬌があっておかしい・・・
もうちょっと先まで頑張って歩こう、と旅人は赤坂まで進もうとする。
そうはさせるか、赤坂に客を取られまい、と御油の宿は必死だったのだそうだ。



なんじゃこりゃとウケてしまったのが「歌川国芳 亀喜妙々」。

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水野忠邦による享保の改革で、贅沢品として役者絵を描くことは禁止された。これに反抗した歌川国芳が
亀の体に役者の顔を描いて発売したのだとか。

甲羅に描かれた紋で、それぞれの役者を判別するそうだが・・なぜに亀!!?

意表をつきすぎたこの姿がインパクトありすぎて紋にまで目がいかないよ!

幕府の禁止令に屈しない職人の鼻っ柱の強さが感じられて、笑ってしまう。こういう、へんてこりんなの好きだ。

でも、「この右下が、あなたです。」とか言われても人気役者も微妙な気持ちだったろうに。




美しさという点で一番心奪われたのが「富士川上流の雪景」(歌川広重)。

(写真はこちらからお借りしました)
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見渡す限りの雪景色、冷たく静かに流れる川、ぽつねんと橋を渡る後姿、しんしん降る雪が音を消すさま。

なぜだか冬に行った五箇山の景色を思い出し、あの時感じたすごーく清らかなものに対する感動が蘇ったのよね・・



イキイキした江戸の人々の姿と色彩の美しさにすっかり魅了されて、気づけば2時間半も長居してしまったのでありました。


次回、第三期は8月13日(火)~9月8日まで。

それにしても、館内の温度設定が20度とは、じぇじぇじぇー!(← 一回言ってみたかった。)
入り口で借りた小さなストール巻いても、最後は足踏みしても何してても寒かったよ!
次回は超厚手の大判ストール持参だな。
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by morningsun71 | 2013-07-31 23:31 | 小話


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